能楽協会と著作権関連事業について

能楽界における撮影・録音と著作権を取り巻く過去と現在の状況、 また能楽協会が行う著作権関連の活動についてご紹介しております。

はじめに

能楽界における様々な著作権等には、以下のようなものがあります。

  • 能楽実演に際する実演家(能楽師)の権利
  • 能楽実演を撮影等した場合の撮影者の権利
  • 新作などを作った場合の制作者(著作者・演出家・主催者等)の権利
  • 面・装束などを作製した制作者の権利
  • 解説・評論などを書いた執筆者の権利

このうち、能楽協会が扱うのは、現段階では、「能楽実演に際しての実演家(能楽師)の権利」=「肖像権」及び「著作隣接権」となります。

長年の能楽界における舞台撮影に関わる慣習

過去、能楽界では能楽師と写真家の間に以下のような事柄について、暗黙の了解とも言える共通のモラルと価値観が築かれていました。

近年の情報技術の進歩に伴って

近年において、情報技術及び収録撮影技術が進歩し、使用態様と目的が急速に多様化しました。

  • 専門家以外が簡易に撮影等、利用等ができるようになった。
  • デジタル技術により撮影等されたり、アナログ技術による撮影等でも容易にデジタル化できるようになり、画質・音質が劣化しなくなった。

専門家以外の安易な利用により様々な問題が起きています。

良質な能楽の写真・映像を保存・利用していく必要性

長い間の慣習では限られた人数の限られた人間関係の中、「暗黙の了解」で行なっていた撮影等、利用等について、安易に参加できる絶対的な人数が急増しました。

例) 誰でも撮影等できる・・・観客や急増したアマチュアの写真家など

例) 誰でも利用等できる・・・撮影等した写真・映像などやインターネットからコピーしたデータなどの利用


そのため、専門家によって撮影等が行なわれた良質な写真・映像等を保存・利用していく必要性があります。

実演家である能楽師のもつ権利を保護していく必要性

実演家の有する権利は以下が存在します。

人格権・パブリシティ権を営利目的で使用する際には、実演家が権利を行使し、報酬を求めることが、法治社会における極めて正当な要求です。その為には、写真・映像等の利用等に際して権利処理が必要となります。

能楽協会が行なう具体的な著作権関連の活動

能楽協会では、こうした著作権にかかわる諸問題への取り組みとして、以下のような活動を進めております。

本サイトでは、上記のうち、撮影等の初期契約に際して必要な書式の案内と配布、及び過去に撮影等された写真・映像等の利用等に際する著作権権利処理の代行業務に関する案内を行っております。