能楽を観る前・後は、少なからずその曲の背景となる歴史に触れたいと思うものです。皆さんもそんな経験はありませんか?
今回は2021年9月7日(火)「伽羅沙」~能楽とオルガンによるレクイエム~ を開催する愛知県の豊田市コンサートホール、能楽堂、さらに施設周辺および豊田市の観光情報をお聞きしました。
豊田市コンサートホールの特徴
豊田市コンサートホールは豊田参合館という13階建てのビル中にあります。能楽堂自体は8階部分にあり、今回の公演(2021年9月7日(火)「伽羅沙」~能楽とオルガンによるレクイエム~)は10階にあるクラシック専用ホールで催されます。

コンサートホールにあるパイプオルガンは、アメリカ合衆国のオルガン製作家ジョン・ブランボー氏によって製作されました。氏の制作したパイプオルガンは、アジアでは豊田市コンサートホールのみと大変貴重なものです。

同建物内にある能楽堂は、能楽が盛んであった桃山時代の雰囲気を醸し出すような雰囲気や装飾を施しており、切妻造りの屋根と総桧張りの能舞台となっています。舞台正面の鏡板に描かれている老松は、東京芸術大学名誉教授で日本画家である田渕俊夫さんの作品です。
こちらの能楽堂では、毎月定期的に公演や講座が開催されています。

豊田市コンサートホール周辺のおすすめ観光情報
豊田市美術館
美術館建築で名高い谷口吉生氏による明るく機能的な建物が特徴の美術館です。
庭園はアメリカのランドスケープ・アーキテクト、ピーター・ウォーカー氏によるものです。作品を鑑賞することはもちろん、建築と庭園を含めた美術館全体の建築美をお楽しみいただけます。
国内外問わず近代~現代の作品を多く所有・展示している豊田市美術館は、豊田市コンサートホールから駅を挟んで1キロほど先にあります。
香嵐渓(こうらんけい)
矢作川支流巴川がつくる渓谷、香嵐渓(こうらんけい)は、紅葉やカタクリの花などが有名です。東海地方随一の紅葉の名所として約4,000本のもみじが彩りを見せます。足助川をはさんで、かつての宿場を思わせる古い町並みの散策もできます。

豊田スタジアム
サッカーなどの球技専用競技スタジアムです。サッカー専用のスタジアムとしては日本国内で2番目の大きさとなっています。豊田市コンサートホールからは1.2キロの場所にあります。
豊田市の魅力・近くの能楽に関連する場所
豊田市は愛知県北部にあります。トヨタ自動車の企業城下町のため、工業都市という印象が強いですが、古い町並みなどの景勝地・文化資源もあり、自然が多い土地となっています。
能とゆかりがある土地もあり、豊田市コンサートホールから近いものをいくつか紹介します。
歴史を感じながら豊田市観光をお楽しみください。
能「熊野」熊野が松伝承地
豊田市十塚町に熊野が松伝承地の記念碑があります。記念碑はなんとコンビニエンスストアの土地にあるのですが、かつてはその地に熊野の草庵・松が植えられていて、その土地の方によって長く守られている様子が伺えます。
こちらは豊田市コンサートホールから南に徒歩10分ほどの距離にあります。
能「杜若」歴史をたどる道
杜若の物語の舞台は三河国の八橋です。現住所は三河八橋駅(愛知県豊田市花園町 名鉄三河線)付近となります。
在原業平にまつわる土地が多く、八ツ橋伝説地や八橋(知立市八橋町)、かきつばたの群生地として有名な無量壽寺をはじめ、在原業平をたどる歴史と散歩コースが知立市観光協会のサイトや現地のパンフレット等で紹介されています。