世界遺産・中城城跡の魅力
2023年10月26日(木)

公益社団法人 能楽協会

世界遺産を会場とする能楽特別公演。沖縄では、琉球王国時代の城跡・中城城跡で11月1日(水)と2日(木)の夜に開催されます。 公演の魅力をお伝えする本記事では、世界遺産・中城城跡についてご紹介します。
世界遺産・中城城跡はどんなところ?
美しい曲線の城壁が残る琉球王国時代のグスク跡
本公演の会場である中城城跡(なかぐすくじょうあと)は、中城湾に面した丘陵に北東から南西にほぼ一直線に築かれたグスク(城)跡。城は6つの郭からなり、南は断崖、北は急傾斜地となっており、城壁は自然の岩石と地形を巧みに利用した美しい曲線を描いています。
14世紀後半、先中城按司(さきなかぐすくあじ=琉球の豪族)が数世代にわたって主要部分を築き上げ、琉球王国が統一される頃に活躍した武将・護佐丸(ごさまる)が移り住み、周辺の城壁を増築したといわれています。
沖縄のグスクの中でも多くの遺構がほぼ原形のまま残り、当時の巧みな石積技術を目の前で見ることができます。 景勝地としても知られ、見学可能な城壁の上に立つと西に東シナ海、東に太平洋を同時に見渡せる素晴らしい眺望が広がります。
なお、中城城跡から車で約10分ほど、中城村の中心地に「中城村護佐丸歴史資料図書館」があります。ここは、施設の名称にもなっている中城村の歴史的英雄・護佐丸や、彼が築城した中城城跡について学べる展示や資料が充実している必見スポット。 公演当日は、図書館の隣にある「中城村公共駐車場」から会場まで無料シャトルバスを運行予定ですので、ぜひ公演前にお立ち寄りいただき、中城城跡への理解を深めていただければと思います。
ペリー提督も称賛した美しい城壁をライトアップして上演
中城城跡に残る美しい城壁は、歴史上の大人物にも称賛されています。その人物とは、日本の開国をうながしたアメリカのペリー提督です。
1853年に、ペリー提督一行は黒船で沖縄に立ち寄った際、中城城跡の視察調査を行い城の状況を描いた絵図や測量図面等を残しています。ペリー提督が監修した「日本遠征記」には「要塞の資材は石灰岩であり、その石造建築は賞賛すべき構造のものであった」と記され、400年以上の風雨に耐えた城壁を築いた琉球の人々の建築技術の高さに驚いたと言われています。
本公演では、ペリー提督も称賛した城壁をライトアップし、夜の古城に映える鬼をテーマとした演目をご覧いただきます。この公演だけの特別な空間をぜひお楽しみいただければ幸いです。
関連記事では「琉球芸能と能楽との深い結びつき」「夜の古城で繰り広げられる鬼の物語」についてご紹介しています。

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