大槻文藏三番能 復曲の名曲を観る!公演レポート

公益社団法人 能楽協会

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2021年11月21日(日)に大阪府大阪市の大槻能楽堂で「大槻文藏三番能 復曲の名曲を観る!」第2日目が催され、狂言「月見座頭」、能「碁」が披露されました。

「碁」はシテの大槻文藏先生が、共同研究者の天野文雄さんと平成13年に復曲したものであり、碁盤が道具として登場する珍しい曲でした。本記事では当日の様子を含めた公演レポートをお届けします。

最寄り駅は「谷町四丁目駅」「谷町六丁目駅」

今回の公演があった「大槻能楽堂」は大阪市中央区にあり、大阪メトロ中央線・谷町線の谷町四丁目駅、または谷町線・長堀鶴見緑地線の谷町六丁目駅から歩いて5分ほどの位置にあります。遠方からお越しの場合にはJR新大阪駅から御堂筋線の谷町駅で乗り換え、谷町四丁目駅に向かうのがおすすめです。車では法円坂ICが最寄りとなります。(近くにコインパーキングがありました)

谷町四丁目駅経由の場合、中央線ホーム寄り、東改札から10番出口に向かいます

大槻能楽堂は大阪城近くにあります。ホーム内で迷われましたら大阪城方面に向かう案内を頼りにすると迷いにくいかもしれません

10番出口を出てすぐ。歩道橋の右側を進み、最初の交差点を渡って右に進むと大槻能楽堂です

大槻能楽堂。近代的な建物が特長です。入口の右側にチケット窓口があります

谷町四丁目駅方面から大槻能楽堂前にある看板を望む

期待感に包まれる会場内

会場に入るとすでに多くの来場者が着席しており、公演を楽しみにされているのがひしひしと伝わってきました。当日の会場は入口での消毒や客席後方の扉を開けるなど、万全の感染症対策を講じていました。

チケット受付時にオリジナル手提げを手渡されました。中には「大槻文藏三番能 復曲の名曲を観る!」パンフレットの他、能「碁」の原文・現代語訳が書かれたプリントが同梱されていました

受付奥にはイヤホンガイドの申込窓口がありました。大槻文藏先生の現代語訳や英訳を聴くことができます。当日は外国人の方も多く、イヤホンガイドを申し込んでいました

ロビーの奥には能舞台の様子が見られる大きなテレビがあり、会場内の様子を伺うことができます

公演の様子

狂言「月見座頭」

いよいよ公演です。はじめは狂言の「月見座頭」でした。

座頭を演じた茂山七五三先生の技量もあいまって、コミカルな一面はあるものの、しっとりとした中にも温もりを感じる狂言でした。観客に"聴かせる"声や細部まで丁寧な仕草、掛け合いの絶妙な間は惚れ惚れするばかりでした。

能「碁」

休憩を挟み、能「碁」です。曲の途中で碁盤を乗せた台が登場し、空蝉の霊と軒端の荻の霊が碁を打つ様は哀愁漂いつつも夢幻能として目を奪われる素敵な曲でした。大槻文藏先生と大槻裕一さんの相舞はタイミングや所作がぴたりと揃い、息をのむほど美しいものでした。

曲についても源氏物語の巻名もなぞらえるように登場し、源氏物語を深く知っていればなおのこと夢中になれる曲であると感じました。

おわりに

大槻文藏先生が復曲された曲は25曲以上にもおよびます。
特別な曲を鑑賞してみたい、と思われた方は復曲を演じる公演に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

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