能楽キャラバン! 札幌公演のご紹介

公益社団法人観世九皐会

公益社団法人観世九皐会

北海道/東北 公演の魅力

日本全国 能楽キャラバン!in 札幌がいよいよ12月25日(土)の開催となりました。本記事では公演の共催となっております札幌能楽会のご紹介や当日上演される演目のあらすじ・見どころをご紹介します。

札幌能楽会のご紹介

札幌能楽会は北の大地の百九十万都市・札幌に於ける能楽愛好者の大半にて組織し、主として札幌市民劇場活動に参加して能楽の普及発展に寄与することを目的とし、昭和三四年にシテ方・三役方が大同団結して創立されました。以来六十有余年、曲折を経て現在の参加シテ方三流・囃子方七流の二十二単会、会員数百五十名前後にて、年に二回の定期大会を開催し、他に市内の神社奉納行事に参加したり、子供の能楽体験などに協力したりして、初期の目的を発展させ、活動の輪を広げております。

当初の動機(市民劇場)が全てアマチュアによる舞台を目指したことで、年一回流派持ち回りにより、後見に職分を迎えて会員のみによる能を演じております。このため、流派間の親密度は厚く、結束力も強く、一昨年の創立六〇周年の職分による演能会の主催運営も、大成功裏に催すことが出来ました。

古い歴史のない札幌では、伝統文化の継承はなかなか難しく、会員の減少傾向が止まりません。しかし、種々の工夫をこらし、今回のキャラバン能への共催参画などを通じて、能楽の灯を消さぬよう会員一同努力してゆく所存でございます。

本記事をご覧の皆様へ

このたびは能楽協会が主催する「日本全国能楽キャラバン!in札幌」の記事を閲覧頂き、誠にありがとうございます。
私達は共催者として公演の運営に参加している札幌能楽会でございます。

主に裏方で動いていますが、舞台右手で皆様のお目に留まる「字幕」は私達の担当でございます。

すでに十年以上の実績をもとに運用しておりますが、お客様の能へのふれあいが少しでも容易になり、ご理解が深まるようにと改良を重ねて参りました。このような活動も含めて、私達は、年二回の能楽の発表の機会を持っております。

2022年は4月29日(祝)に、能「吉野静」を軸に多彩な演目で「能楽鑑賞のひととき」を開催いたします。北の大地の伝統文化活動に、是非ご参加ください。

能楽キャラバン! in 札幌 演目紹介

日本全国 能楽キャラバン!in 札幌 公演チラシ

能 羽衣 盤渉 -はごろも ばんしき-

駿河国三保の松原。富士山を望む浜辺の松に輝きと芳香を放つ衣が掛かっている。漁師・白龍が衣を手に取ると、月世界に住む天人(天女)が現れる。それは天の羽衣で、その衣無しには天上へ帰ることが出来ないゆえ返して欲しいと頼む。嘆き悲しむ天人の姿に心打たれた白龍は、天上界の舞楽を見せてくれることを条件に羽衣を返すことにする。喜んだ天人は舞を舞い、富士を越えて天高く舞い上って行く。

羽衣伝説を元にした能を代表する美しい演目。「盤渉」の替演出により序之舞の笛の調子が高くなり、より華やかな風情となる。

狂言 素袍落 -すおうおとし-

伊勢神宮参拝を決めた主人は、伯父を誘うべく家来の太郎冠者を使いに出す。心優しい伯父は、日頃の太郎冠者の働きを癒すべく酒を出し、土産に素襖(上衣)まで持たせる。ところがしたたかに酔った太郎冠者は……
人間国宝・芸術院会員の山本東次郎の十八番。素直な太郎冠者の酔いっぷりが見もの。

能 黒塚 -くろづか-

「陸奥の安達原の黒塚に、鬼籠れりというはまことか」の古歌にも歌われる奥州安達原の鬼女伝説。修行の旅の道中で宿を借りる山伏祐慶一行。糸繰りの夜なべをする侘び住まいの女性に仏道を説く祐慶。薪取りに出かけた女性の部屋を見ると、夥しい死骸と白骨が、、驚いて逃げ出す一行に本性を現した鬼女が迫る。「鬼」の業を考えさせる名曲。

公益社団法人観世九皐会

公益社団法人観世九皐会

ウェブサイト
https://yarai-nohgakudo.com/
Twitter
https://twitter.com/yaraikanze

能楽情報メルマガのご案内

公演情報や、能楽に関する情報を不定期でお届けします。