楽しむ能「楽」プロジェクト! は、2025年9月から12月にかけて、大分・奈良・大阪・宮崎・熊本・沖縄にて順次開催!
「万博と能楽 特別公演」は、10月10日(金)・11日(土)の二夜にわたり、大阪府吹田市・万博記念公園内のEXPO'70パビリオン 別館にて開催されます。
本公演は、1970年大阪万博、そして本年7月の大阪・関西万博会場での画期的舞台に連なる特別な公演です。1970年の伝説的な能楽上演と、「鬼」をテーマにした今年の舞台──過去と現在、そして未来が交差する二夜が、まもなく幕を開けます。
「黄金の顔」が見守る ― 能「善知鳥」の歴史的再演

EXPO'70パビリオンは、1970年大阪万博の展示施設「鉄鋼館」をそのまま記念館とした施設。
別館には、太陽の塔の頂部を飾った「黄金の顔」が展示され、当時の熱気を映像とともに体感できるゾーンが設けられています。
その鉄鋼館の円形舞台で、1970年6月に上演されたのが、戦後能楽界の旗手的存在として活躍した観世寿夫氏による能「善知鳥(うとう)」。 天井・壁・床下に計1008個のスピーカーが配された最新鋭の音響空間で繰り広げられた舞台は、大きな反響を呼びました。
能「善知鳥」は、陸奥・外の浜の猟師の亡霊をシテ(主役)とし、殺生の罪に苦しみ続ける姿を描いた曲。 生きるために、生き物の命を奪わなければならない人間の悲哀をくっきりと描き出した観世寿夫氏の名演は、「今に語り継がれる伝説」として伝えられています。
本公演の第二日では、この能「善知鳥」を、シテ方観世流の重鎮でもあり、観世寿夫氏の甥でもある観世銕之丞氏が再演。 55年の時を経て、「黄金の顔」が見守る空間で蘇る歴史的瞬間を、ぜひお見逃しなく。

鬼をテーマに描く人間の本質 ― 能「葵上」

第一日の演目は、シテ方宝生流・武田孝史氏による能「葵上」。 源氏物語「葵の巻」を典拠に、六条御息所の嫉妬と執念が鬼へと変貌していく人間心理の深淵を描きます。
本年7月、大阪・関西万博会場 EXPOホール「シャインハット」で開催され、好評いただいた公演「未来につなぐ、能楽の世界」では、テーマとして「鬼」が掲げられました。今回の「葵上」は、その流れを受け継ぐもので、悲しみや苦しみによって鬼女にならざるを得なかった六条御息所の姿を描き、鬼を通じて人間の本質に迫ります。
「万博と能楽」をつなぐ特別映像と解説
両日とも開演前には、映像によって「万博と能楽」の軌跡を辿るスペシャルムービーを上映。続いて、万博と能楽の歩みや上演曲の見どころを丁寧に解説し、観客の皆様を舞台の世界へと誘います。
1970年大阪万博での伝説的舞台「善知鳥」に象徴される“過去”、 2025年大阪・関西万博で披露された「鬼」をテーマとした革新的な“現在”、 そして今回の公演が照らし出す“未来”。 万博という祝祭空間のなかで、時代を超えて能楽が響き合う特別な二夜。 その至高の舞台をぜひご体感ください。
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