楽しむ能「楽」プロジェクト! 京都・奈良・長崎・鹿児島・沖縄にて2024年9〜12月開催!「美ら海能 in 海洋博公園」は11月12日(火)・13日(水)の2日間にわたり、歴史ある「海洋博公園(国営沖縄記念公園)」で開催される初めての能楽公演です。本記事では、公演で演じられるロケーション・曲目を解説します。
海洋博公園でもっとも美しいと言われる場所での上演
沖縄本島北西部の本部半島 備瀬崎近くにある海洋博公園は、昭和50年(1975)に開催された沖縄国際海洋博覧会を記念して、翌年、博覧会跡地に整備された国営公園です。沖縄美ら海水族館やイルカショー、プラネタリウム、植物園、エメラルドビーチなど沖縄の魅力がギュッと詰まったさまざまな施設や自然が、海岸沿いの広大な敷地に点在している大変人気の沖縄観光スポットです。
本公演では、海洋博公園内の「水の階段レストハウス前芝生地」に特設舞台を設けて能楽が演じられます。近くにある「水の階段」は沖縄国際海洋博覧会の際に、日本政府出展の公園「海浜公園」の展示エリアの一つとしてつくられました。現在では、熱帯性植物とサンゴ石灰岩の景石を配置した散策路となっています。
エメラルドグリーンに輝く美ら海、そして遠くに伊江島が望める壮大なロケーションで能楽公演をお楽しみください。
美ら海を望む舞台にふさわしい迫力満点の演目たち
本公演では、美ら海での特別な舞台にあわせて海を物語の舞台とする演目や、能楽初心者の方にもお楽しみいただける迫力満点の演目が上演されます。
どの演目もダイナミックで迫力あふれる曲です。青い海、青い空の下で、ゆっくりとお楽しみください。
11月12日(火)公演 能「玉井」
12日(火)公演で演じられるのは能「玉井(たまのい)」です。『古事記』『日本書紀』に登場する海幸山幸神話を題材とした物語。神話にも登場する龍王の娘・豊玉姫と玉依姫が、釣り針を探し求めて海神の都にやってきた彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)と出会い……という古代ロマンあふれる演目です。
能「玉井」の前には琉球舞踊「本花風(むとぅはなふう)」が舞われます。こちらも海を臨む舞台にふさわしい演目で、夫の船出を見送り、別れの悲しみと再会への願いが込められています。
11月13日(水)公演 能「碇潜」
13日(水)公演の演目は、能「碇潜(いかりかづき)」。物語の前半では、平氏きっての勇将・平教経(のりつね)の亡霊が漁師の姿で現れ、壇ノ浦の合戦での勇猛な最期を語ります。後半では一転、平知盛の亡霊が大長刀を縦横無尽に振るい、最後には碇を戴いて海に沈む壮絶な最期が描かれます。
「碇潜」の前に上演される狂言「蟹山伏(かにやまぶし)」では、ぴょんぴょんと動き回る蟹の精が登場。蟹の精に耳を挟まれた強力(山伏の荷物を運ぶ従者)を助けようとする山伏との対峙が笑いを誘う、狂言らしい楽しい演目です。
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