竹生島があるびわ湖には、様々な遊覧船が就航しています。船内で食事を楽しんだり、湖に浮かぶ島の文化に触れたりと、じつに多彩な企画で訪れる観光客を迎え入れています。びわ湖をいかに楽しむかを探るべく、運航しているいくつかのクルーズをご紹介します。

本コラムでご紹介のクルーズ一覧
①びわ湖クルーズの顔「ミシガンクルーズ」
②神様の棲む島 竹生島の観光を満喫「竹生島クルーズ」
③彦根港を起点とする「竹生島めぐり」「彦根城を眺めるミニクルーズ」
④点在する4つの島と名所を巡るびわ湖一周ルート「ぐるっとびわ湖島めぐり」
⑤四季折々のびわ湖を楽しむ「季節のイベントクルーズ」
⑥貴重な体験や知らない世界に触れる面白さ「カルチャークルーズ」

①びわ湖クルーズの顔「ミシガンクルーズ」

画像1_ミシガンクルーズ
船内にレストランを備えたミシガン。赤いパドル(外輪)が印象的


ミシガンクルーズは、びわ湖の南側水域、南湖(なんこ)を周遊する食と船内パフォーマンスにこだわった琵琶湖きっての遊覧コースです。
雄大なびわ湖を眺めながらのランチビュッフェやアフタヌーンティー、夜景とともに味わうディナーコースなど、様々な趣向を凝らした料理が用意されています。中には滋賀の食材や旬のものを取り入れたメニューもあり、ミシガンクルーズならではの味わいとなっています。

もうひとつ注目したいのが船内エンタメ。クルーによる観光案内や音楽ライブなどのほか、季節限定のイベントも開催されています。

景色だけでなく、”食”と”エンタメ”を同時に楽しめるミシガンクルーズは、まさしくびわ湖クルーズの顔といえるでしょう。


琵琶湖汽船「ミシガンクルーズ」
  • 食事メニューは一部の軽食メニューを除き、すべて事前予約制
  • 夕景・夜景が楽しめる「ミシガンナイトクルーズ」特別運航中(2023年10月1日までの土日祝に運航、毎年運航)

②神様の棲む島 竹生島の観光を満喫「竹生島クルーズ」

画像2_竹生島
湖上から竹生島を望む

能「竹生島」の舞台でもあり、神の棲む島として人々が信仰を捧げてきた竹生島。周囲2kmほどの小さな島には、日本三弁財天のひとつである宝厳寺(ほうごんじ)と、龍神信仰の都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)が建立され、海外客を含む多くの参拝客や観光客が訪れる場所となっています。

竹生島クルーズは竹生島を訪れる観光客の足として、長浜港・今津港から出港しています。竹生島へは片道約30分。島では竹生島宝厳寺と都久夫須麻神社を参拝・見学したり、参道散策を楽しんだりと1時間半ほど費やし、約3時間強で帰港できるアクセスの良さです。

クルーズの前後で港周辺の観光を合わせて楽しめます。長浜港の場合は長浜城や黒壁スクエアを中心とした長浜散策、今津港の場合は白鬚神社やメタセコイヤ並木といった周辺の名所巡りなど、竹生島+港周辺のワンデー観光を計画してみてはいかがでしょう。



琵琶湖汽船「竹生島クルーズ」

③彦根港を起点とする「竹生島めぐり」&「彦根城を眺めるミニクルーズ」

a_画像_追記_オーミマリン 竹生島めぐり2
青い湖面とのコントラストが美しい赤備え船「直政」
写真協力/(公社)びわこビジターズビューロー


竹生島へは彦根港からのルートもあります。

彦根港を発着するクルーズ「竹生島めぐり」で注目したいのは、運航に使われている赤備え船「直政」です。 彦根藩を治めた井伊家の軍勢は赤い甲冑を身につけて戦に臨んだことで知られ、大変勇猛であったことから“井伊の赤備え”と称されています。この異名と初代藩主・井伊直政にあやかったという赤備え船「直政」。赤色の船体に井伊家の家紋と旗印をあしらった個性あふれる観光船が、約40分の彦根ルートを航行します。

彦根港もまた港周辺の観光が充実しています。彦根港から徒歩圏内の場所に井伊家が代々城主を務めた彦根城があります。彦根城の彦根城博物館には、江戸時代建築の能舞台が現存しており、江戸当時の姿を伝えています。 彦根ルートで竹生島観光をするなら、彦根城も合わせて立ち寄りたいスポットです。

また、彦根城を湖上から眺めるクルーズもあります。 彦根港から出港し、船からゆっくり彦根城を眺めてから彦根港に戻る乗船時間40分間のミニクルーズ。乗船者には彦根市の人気キャラクター「ひこにゃん」のステッカーがプレゼントされます。



オーミマリン「竹生島めぐり」&「彦根城を眺めるミニクルーズ」
  • 事前予約(空席があれば予約なしでも乗船可)
  • 予約状況や船舶の整備によって「赤備え船」で運航する便は変わります。

④点在する4つの島と名所を巡るびわ湖一周ルート「ぐるっとびわ湖島めぐり」

画像3_びわ湖全景
1日かけてびわ湖をじっくり巡る
写真協力/(公社)びわこビジターズビューロー

びわ湖には、竹生島、沖島、多景島(たけしま)、沖の白石という4つの島が点在しています。ぐるっとびわ湖島めぐりは、1日をかけてこの4島を巡るクルーズです。

神秘のパワースポット竹生島。唯一の有人島であり昭和の面影を残す沖島。島全体がご神体の多景島。そして湖上からしか見ることのできない奇岩・沖の白石。大津港を起点に島々を回り、観光ガイドによる案内とともに各島の文化や歴史に触れます。船上からは近江八景の一つとされる浮御堂(うきみどう)など、びわ湖の名所を楽しむことができます。


琵琶湖汽船「ぐるっとびわ湖島めぐり」
  • 事前予約制

⑤四季折々のびわ湖を楽しむ「季節のイベントクルーズ」

画像4_1_桜クルーズ
奥びわ湖の景勝地・海津大崎の桜を楽しむ「海津大崎 桜クルーズ」


画像4-2_雪見船クルーズ
びわ湖の美しい冬景色が堪能できる「雪見船クルーズ」

季節ごとにびわ湖の魅力を満喫できる期間限定のクルーズもあります。
季節のイベントクルーズには様々な企画がありますが、中でも多いのは、やはり季節の移ろいを楽しむもの。春には海津大崎の桜を湖上から楽しめる「海津大崎 桜クルーズ」、比良山系が雪化粧する冬には「雪見船クルーズ」などが運航しています。
またその他、元日に運航する「初日の出クルーズ」や、7月には滋賀県を代表する郷土料理の“鮒ずし”作りが体験できるクルーズなどもあります。

「鮒ずし作り体験クルーズ」では、びわ湖固有種のニゴロブナを使って鮒ずしの作り方を漁師さんに学び、沖島の暮らしに触れます。

画像4-3_鮒ずし
塩漬けのニゴロブナをご飯に漬け込み発酵させる鮒ずし
写真協力/(公社)びわこビジターズビューロー

琵琶湖汽船「季節のイベントクルーズ」
  • サイト掲載の各クルーズは、令和5年に運航中・運航予定のイベントクルーズの一例です。
  • 「鮒ずし作り体験クルーズ」は毎年GW明け頃にツアーの募集を開始します。詳細は琵琶湖汽船ウェブサイトにてご確認ください。

⑥貴重な体験や知らない世界に触れる面白さ「カルチャークルーズ」

 

画像5_沖島
昔ながらの暮らしと文化が今も息づく沖島

びわ湖クルーズにはカルチャークルーズと銘打って、とくに好奇心や探求心をくすぐる企画も見られます。

たとえば、年4回開催される「沖島の四季クルーズ」は、季節ごとにテーマを替えて沖島の文化に触れるもの。沖島ならではの漁文化や食を楽しみながら、毎回異なる沖島の魅力を探ります。
知的好奇心を満たす船旅を求めるのなら、カルチャークルーズがおすすめです。

多くの魅力を持つびわ湖を味わい尽くすクルーズ旅

豊かな水を湛えるびわ湖の周辺は古くから自然に恵まれ、水を巧みに取り入れた独自の暮らしを育んできました。その景観や文化はびわ湖の遺産として受け継がれ、今も多くの人々を魅了しています。

自然、文化、歴史、神秘。びわ湖の魅力は数あれど、何をどう楽しむかは人それぞれ。バラエティーに富んだクルーズの中から、目的や運航日程を吟味して、自分好みのびわ湖旅を楽しみましょう。


竹生島に関する問い合わせ:長浜観光協会 TEL:0749-53-2650

SNSでシェアする