と能楽とのかかわり
能楽の要素を取り入れて創られた「組踊(くみおどり)」
沖縄の伝統芸能のひとつに、琉球王国時代に中国からの使者をもてなす歌や踊りとして発展した組踊(くみおどり)や琉球舞踊があります。
琉球王朝文化の最高芸術と言われる組踊は、玉城朝薫(たまぐすく ちょうくん)によって世に送り出されました。当時の琉球王府の踊奉行に任命された朝薫は、能楽・歌舞伎・文楽などの芸能の要素を取り入れつつ、琉球の歴史・故事・説話を題材にした独自の歌舞劇「組踊」を生み出しました。朝薫が能楽を参考に創作したとされる「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」などの演目は完成度が高く、現在でも組踊の代表作として上演されています。
組踊は、現在でも沖縄の伝統芸能を集約した劇場「国立劇場おきなわ」などで上演されています。また、近しい間柄にある組踊と能楽が同じ舞台で演じられる機会もあります。