について
淡路島は瀬戸内海東部に位置し「古事記」の冒頭をかざる「国生み神話」が伝わる古代ロマンに満ちた島です。
「国生み神話」とは、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)が下界を天沼矛(あめのぬぼこ)でかき回し「おのころ島」ができたとされる物語です。
二柱の神様は夫婦となり、日本列島の島々を生んでいきます。この神話で最初に生まれたおのころ島が淡路島であるという説があります。
この「国生み神話」を描いた能の演目が「淡路」です。
能「淡路」 曲のあらすじ
日本の国土を創った伊弉諾尊が祝福の舞を舞う
淡路島を訪れた帝の臣下一行に、老翁が現れます。国生み神話を語り「自分こそが伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の化身である」と明かして姿を消します。
その夜、一行の前に現れた伊弉諾尊は、神代の昔から変わらぬ淡路の聖域をたたえ、祝福の舞や謡を披露します。最後に日本の繁栄を約束して姿を消します。
伊弉諾尊が後半の主役として颯爽とした舞を見せる、祝賀の雰囲気にあふれた作品です。