淡路島
淡路島

国生み神話が語られる能「淡路」の舞台

淡路島

について

淡路島

淡路島は瀬戸内海東部に位置し「古事記」の冒頭をかざる「国生み神話」が伝わる古代ロマンに満ちた島です。
「国生み神話」とは、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)が下界を天沼矛(あめのぬぼこ)でかき回し「おのころ島」ができたとされる物語です。
二柱の神様は夫婦となり、日本列島の島々を生んでいきます。この神話で最初に生まれたおのころ島が淡路島であるという説があります。

この「国生み神話」を描いた能の演目が「淡路」です。

能「淡路」 曲のあらすじ

日本の国土を創った伊弉諾尊が祝福の舞を舞う

淡路島を訪れた帝の臣下一行に、老翁が現れます。国生み神話を語り「自分こそが伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の化身である」と明かして姿を消します。

その夜、一行の前に現れた伊弉諾尊は、神代の昔から変わらぬ淡路の聖域をたたえ、祝福の舞や謡を披露します。最後に日本の繁栄を約束して姿を消します。

伊弉諾尊が後半の主役として颯爽とした舞を見せる、祝賀の雰囲気にあふれた作品です。

能楽をめぐる

淡路島探訪モデルコース

淡路島 探訪1日コースでは、国生み神話に登場する伝承地を巡り、淡路島の歴史や文化、自然の魅力に触れながら、能「淡路」のダイナミックな世界観を体感します。

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絵島

国生み神話に登場する「おのころ島」伝承地のひとつ

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能「淡路」で「さればにや二柱の御神のおのころ島と申すもこの一島の事かとよ。およそ、この島はじめて大八洲の國を作り」と謡われ、二柱の神様は最初におのころ島をつくり、日本列島を生み出していったとされています。
この「おのころ島」とされる場所は淡路島と周辺に数カ所存在するのですが、淡路島の北端に浮かぶ絵島(えしま)はその候補地のひとつです。

フェリーが往来する岩屋港のすぐそばにある絵島は、淡路島が誇る景勝地です。人が立ち入ることはできませんが、夜間は絵島がライトアップされ「海に浮かぶ光の舞台」として幻想的な光景が楽しめます。

淡路市岩屋884-4
兵庫県公式観光サイト「絵島」
車で30分
車で30分
2

伊弉諾神宮

伊弉諾尊と伊弉冉尊の二柱を祀る日本最古の神社

伊弉諾神宮

伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)は「古事記」に記されている全国でもっとも古い神社のひとつ。
能「淡路」の前半で神田を耕す老翁が二柱の神様がもたらす豊饒の恵みを讃えます。伊弉諾神宮はその二柱が祀られています。また、伊弉諾尊が終焉を迎えた地とされ、その神宅跡に最古の神社として造られたと伝わる神聖な場所です。

境内には樹齢約900年の「夫婦大楠」という二柱が宿るご神木があり、夫婦円満、安産子授、縁結びなどのご利益があるとされています。
毎月22日の夜間特別参拝では幻想的な雰囲気を味わえるのでおすすめです。拝殿・正門・大鳥居・夫婦大楠などがライトアップされ参道に300個のろうそくが灯されます。

兵庫県淡路市多賀740 兵庫県公式観光サイト「伊弉諾神宮」
車で25分
車で25分
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おのころ島神社

縁結びのパワースポットとして知られる国生み神話ゆかりの神社

おのころ島神社

おのころ島神社のある丘こそが、国生みの聖地「おのころ島」であるとも伝えられています。こちらも伊弉諾尊・伊弉冉尊の二柱がまつられ、縁結びと安産のご利益がある神社です。高さ21.7メートルの朱塗りの大鳥居は「日本三大大鳥居」のひとつです。神社のすぐ近くには国生み神話にちなんだ場所が2つあり、どちらも現在は碑が建っています。

天の浮橋 二柱が下界を天沼矛でかき回すときに降り立った場所とされています。能「淡路」では老翁が「たなびく天の浮橋の 古を現して」などと謡います。

葦原国(あしはらのくに) 二柱が創った国土。海辺に葦がしげり五穀豊穣の沃土があるとされています。能「淡路」では「さすは御鉾の手風なり。引くは潮の時つ風。治まるは波の芦原の 国富み民もゆたかに 万歳をうたふ松の声。千秋の秋津洲。をさまる国ぞ久しき」と最後に謡われます。

兵庫県南あわじ市榎列下幡多415 兵庫県公式観光サイト「おのころ島神社」
車で20分
車で20分
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うずしおクルーズ

天沼矛で下界をかき回す様を彷彿させるうずしおを体感

うずしおクルーズ

南あわじ市 福良港では鳴門海峡渦潮観光 淡路島の「うずしおクルーズ」が楽しめます。日本船として初めて太平洋横断した蒸気帆船がモデルの大型遊覧船「咸臨丸(かんりんまる)」で鳴門海峡に向かい、ダイナミックなうずしおや潮流を観察、体感できます。間近で見るうずしおは想像を超える迫力です。

うずしお鑑賞は、ほかにも徳島県の鳴門観光港から出航する「うずしお観潮船」や、鳴門海峡の最狭部を結ぶ吊橋「大鳴門橋」の橋げた下の遊歩道「徳島県立 渦の道」からも楽しめます。

兵庫県南あわじ市福良港(うずしおドームなないろ館)
兵庫県公式観光サイト「うずしおクルーズ船 咸臨丸」
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車で20分 船で10分
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沼島

勾玉の形をした「おのころ島」の最有力候補

勾玉の形をした「おのころ島」の最有力候補

沼島(ぬしま)は、淡路島の南の沖に浮かぶ島。土生港(はぶこう)から高速船で10分の位置にあります。 沼島の「沼」は国生み神話の「天沼矛」に由来するという説から、おのころ島とされている数カ所の候補地の中でも最有力とされています。

島の周囲には奇岩が多く、とくに海面から高さ30mにそびえ立つ「上立神岩(かみたてがみいわ)」は伊弉諾尊と伊弉冉尊が婚姻を行った「天の御柱」と言い伝えられ、沼島のシンボルとして親しまれています。
この二柱を祀る「おのころ神社」、航海の安全を祈願する「沼島八幡神社」など島全体に歴史と伝説が数多く残っています。

兵庫県南あわじ市沼島
兵庫県公式観光サイト「沼島」

淡路島の楽しみ方
いろいろ

四季折々の花の名所を訪ねる

あわじ花さじき
花

2000年の淡路花博以来「花の島」として定着した淡路島では、四季折々の花が咲き競う広大な公園が多数整備され、1年を通じて様々な花と出会えます。

あわじ花さじき(写真)  明石海峡・大阪湾を背景に、広大な花畑が約15ヘクタールにわたって広がり、春の菜の花、夏のバーベナ、秋のコスモスなど、季節ごとに異なる表情を見せます。

淡路夢舞台 建築家 安藤忠雄によって設計された複合リゾート施設内に、階段状に100の花壇が並んだ「百段苑」や、希少な植物を集めた日本最大級の温室「あわじグリーン館」があります。

多彩な「ご当地丼」にチャレンジ

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食べ物

淡路島は平安時代に「御食国(みけつくに)」と呼ばれるほど食の宝庫でした。能「淡路」でも、二柱がもたらす豊饒の恵みを讃えています。淡路米も島の名産で、淡路米を使用した多彩な「ご当地丼」があります。

淡路島生しらす丼 岩屋漁港で水揚げされた生しらすがたっぷり味わえます。
淡路島牛丼 淡路島を代表する食材である玉ねぎ、淡路牛、淡路米が使われています。
淡路島生サワラ丼 島の漁師ごはんをメニュー化した丼。あぶり丼、タタキ丼、漬け丼、親子丼、出汁茶漬けなど豊富なレパートリーがあります。

豊富な泉源を湯めぐり

洲本温泉
温泉

豊富な泉源を有する淡路島では、様々な温泉を日帰り湯や足湯などでも楽しめます。

洲本温泉(写真)」 洲本城の城下に広がる島最大の温泉地。海岸線にそって海を見渡す露天風呂などの施設が並んでいます。
南あわじ温泉郷」 湯量豊かな6つの泉源があり、泉質によりそれぞれ異なる効能があります。鳴門海峡に面していて、海岸美に恵まれた湯をゆったり楽しめます。

「日本の夕陽百選」に選ばれた「慶野松原」へ

慶野松原
花

慶野松原(けいのまつばら)は播磨灘に面して広がる白い砂浜に樹齢数百年にも及ぶ黒松が多く生い茂る、瀬戸内海随一の白砂青松の景勝地です。古くは柿本人麻呂などにより「万葉集」に詠まれた風光明媚な松原です。
日本の夕陽百選」にも選ばれ、松越しに見る播磨灘に沈む夕陽は絶景です。

慶野松原内には「瓦(かわら)ぬ愛」を誓うメッセージが刻まれたハート型の瓦が並ぶ「プロポーズ街道」があります。日本の屋根を代表する淡路瓦はこの慶野松原周辺で数多く生産されています。

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