について
竹生島(ちくぶしま)は、びわ湖に浮かぶ周囲2kmほどの小島。「神を斎(いつく)島」に由来する島名通り、島全体が神秘的な雰囲気に包まれ、パワースポットとして注目を集めています。 この竹生島を舞台とする能の演目が「竹生島」。島の寺院に祀られている弁才天や水中にすむ龍神が登場し、民を迷いから救い、国土を守ることを約束する神様の物語です。
能「竹生島」 曲のあらすじ
湖上の春景色とともに展開される清々しい神の物語
朝廷の臣下一行が島へ参詣するため、翁と若い女が乗った釣り船に同船します。琵琶湖水上からの春のうららかな景色を眺めるうちに竹生島へ着き、翁が臣下一行を弁才天堂に案内します。連れの女も一緒に来たので、臣下が「女人禁制の島と聞いていたが」と問うと、翁と女は「弁才天は女性の神なので女人を分けへだてはしない」と島の由来を語ります。その後、二人は人間ではないことを明かし、やがて女は弁才天となって現れ、舞を舞い、翁も龍神として現れて宝物を捧げ、再び姿を消します。
前半は湖上ののどかな春景色が描かれ、後半では弁才天の美しい舞と龍神の勇ましい舞が見どころの作品です。