江戸の寺社では、祭礼の折に能楽がしばしば奉納され、人々は神仏に祈りを捧げながら能楽の世界に親しんできました。その伝統は今も息づき、東京には、年中行事としての能・狂言の奉納や、境内に能舞台を備える寺社などが点在しています。
かがり火に揺れる薪能、荘厳な本堂で蝋燭の灯りに浮かび上がる舞、あるいは由緒ある能舞台での格式高い奉納——。東京の寺社に息づく能楽の世界を、どうぞご覧ください。

明治神宮(渋谷区代々木)「明治神宮薪能」 シテ方五流儀が毎年輪番で舞台を務める圧巻の舞台

1_明治神宮

渋谷区にありながら、深い杜が広がる都会の聖地・明治神宮では、毎年5月の「春の大祭」と、11月の「秋の大祭」において、能楽師による能・狂言が奉納されています(※観覧無料)。

このほか、毎年秋に開催される「明治神宮薪能」も代表的な公演の一つです。昭和57年(1982)、国立能楽堂の建設(千駄ヶ谷)を機に始まり、第1回公演では、当時皇太子徳仁親王であられた今上陛下をお迎えし、開幕しました。

以来、シテ方五流儀が輪番で舞台を担い、抽選による一般観覧者を含む約2,000名を招き、拝殿前の特設舞台で能と狂言が上演されています。
かがり火の揺らめきに浮かぶ舞は、境内を幻想的な空気で満たし、毎年多くの人々を魅了しています。

 

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