琵琶の名手藤原師長は入唐の途次、須磨の浦で汐汲の老夫婦の小屋に宿るが夜更け時雨の音に合わせて翁は琵琶、嫗は琴を弾じて興じ、師長はその妙技に感じて入唐を断念。翁は村上天皇、嫗は梨壺の女御であったという名器伝説。