平家を追討すべく越中埴生に陣を構えた木曾義仲は、倶利伽羅谷へ敵軍を追い落とす作戦を練っていた。 参謀の覚明に戦勝祈願の願書を書かせて八幡宮に奉納する。 出陣の酒宴となり、覚明は舞を舞う。 〈安宅〉の勧進帳、〈正尊〉の起請文と並び、三読ミ物とされる願書奉納の場面が圧巻である。