解説

水無瀬の為世の卿は、世を儚み、家族を捨てて出家した。残された男女二人の子供は、母親と慎ましやかに暮らしていたが、とうとう母親が亡くなってしまった。兄弟は、今日も母親の墓へ、花と水を供えに連れ立って行った。途中で一人の僧侶と出会った。兄弟は、ちょうど母親の命日だったので、僧を呼び止め、供養の手向けを依頼した。その僧は、父親の為世だったのだ。為世は、出家した後、だんだん家族が心配になって、見に来たのであった。それとは知らない兄弟に連れられて我が家の中に入った為世は、名乗ろうとは思ったが、輪回の業を振り切って仏門に入ったのだから、堪えて名乗らなかった。夜になって、母親の亡霊が現れ、他人顔の為世を諫め、兄弟の手を取って、親子の名乗りをさせた。

  観世 金春 宝生 金剛 喜多
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