奈良の猿楽、金春太夫氏信(禅竹)の息女は、円満井座の小太郎に連れられ、佐渡に流された祖父世阿彌を訪ねる。世阿彌は孫娘との再会を喜び、現在の心境や「離見の見」の心を語る。孫娘の舞を見ながら昔をなつかしむ世阿彌は、能の命は果てなしとの思いで舞を舞い、二人を見送り一人島に残るのであった。七十九世宗家金春信高作の新作能。