延喜帝の皇子蝉丸は、生まれつきの盲目のため逢坂山に捨てられ、悲しみの琵琶を弾く。逆髪の姉君も不遇に狂乱し、放浪の末琵琶の音に誘われて弟と出会う。幸薄い我が身の宿業と互いの悲運を泣き合う人間の姿が描かれる作品。