琵琶の名手平経政は、お仕えする御室仁和寺の守覚法親王に拝借した名器「青山」を返して出陣。戦死の報をきいた親王は憐れんで管絃講を営んで弔うと、かすかな灯火のかげから経政の亡霊が出現する。短篇小説の味わいある佳品。