桃山時代を意識して造られた能楽堂。コンパクトな空間は、演じる人の息遣いや表情まで感じられる。

本舞台:屋根は開放的な切妻作りで、寄木造りの上に桧皮葺となっています。舞台の下には、12個の瓶が埋められています。

豊田市能楽堂は平成10年に開館しました。能楽が盛んであった桃山時代の能舞台をイメージした作りになっており、ロビーには武家を象徴する文様やデザインが施されています。客席数は458席と車椅子席3スペース、合計461席というほどよい空間の中規模サイズ、シートは落ち着いた若草色で、和風の青畳をイメージしています。

正面入口からロビーには淡いグリーンを基調にした絨毯が敷かれており、その模様は茶室で言えば飛び石の役割をしています。
ロビー:様々な能装束や京都の人形作家である林駒夫さん(人間国宝)の作品が展示されています。この作品は、地元三河の知立八橋が取り上げられている在原業平の「伊勢物語」を題材にした能「杜若」をイメージしたものです。
陶壁:ロビーの右手壁面にある陶壁は加藤唐九郎さん(1898~1985)の作「緋藻」を、三男の加藤重高さん、孫の高弘さんの手により、この能楽堂の壁面に相応しい形に蘇らせたものであり、「緋藻変華」と名づけていただきました。
鏡板に描かれている老松は、東京芸術大学教授で日本画家である田渕俊夫さんの作品で、松のほこらの一つ一つや松ぼっくりにその特徴である写実的なものが表れています。
老松の横には若竹の絵が描かれるのですが、ここの若竹の特徴はその皮までが描かれており、他の能楽堂にはないものです。

豊田市能楽堂のご案内

豊田市能楽堂は、豊田参合館(とよたさんごうかん)の8階にあります。名鉄豊田市駅からペデストリアンデッキで繋がっており、アクセス良好です。
周辺のフリーパーキング加盟駐車場をご利用いただくと、駐車料金が3時間まで無料になります。同建物内にクラシック専用のコンサートホールを併設している特徴を活かし、能楽や伝統芸能のほか、クラシックの公演もおこないます。

所在地
〒471-0025
愛知県豊田市西町1丁目200番地
最寄り駅
名鉄:豊田市駅
鉄道:新豊田駅
公式サイト
https://www.t-cn.gr.jp/nohgakudo/
バリアフリー設備
  • 車椅子での鑑賞スペース
  • 多機能トイレ
  • 段差の少ないフロアー
お近くの観光情報
  • 豊田市美術館:近代~現代の国内外を問わず、幅広い所蔵品が集められ、建物は建築家・谷口吉生氏の代表作の一つとされています。
  • 近代の産業とくらし発見館:大正10年に建てられた国の登録有形文化財「旧愛知県蚕業取締所第九支所」の建物を活用し、近代産業と市街地の変遷やくらしの紹介を展示しています。
  • 喜楽亭:大正末期から昭和にかけて建てられた、町屋建築の面影を残す近代和風建築です。かつては、料理旅館として、高橋是清、高松宮殿下、水谷八重子など貴賓・著名人の宿泊所にもなりました。

会場周辺地図

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