肥後国岩戸に住む僧の所へ毎日閼伽の水を汲んでくる老女がいた。名を尋ねると、後撰集の「年ふれば」の歌を詠んだ檜垣の女であると言い消え失せる。その旧跡を訪ねると、檜垣の女が現れ落魄の労苦を悲しみ、昔を偲び舞を舞い、回向を頼む。