嵯峨野の野宮の旧跡で、旅僧に光源氏と六条の御息所(みやすどころ)の悲しい別れを物語った女は実は御息所の化身だった。回向する僧の前に御息所の霊が昔の姿で現れ、葵上との車争いの屈辱の思い出などを語り、懐旧の思いに浸りながら舞を舞う。